ボディーガードとなって十数年。

あっという間に時間は過ぎましたが
まだまだ
これで良いと思えることはありません。

ボディーガードは
その場、その状況において

「臨機応変にベストを選ぶ」

これが私のモットーです。

初心にかえるために
ボディーガードの訓練を
受けようと思った時の気持ちと
養成学校を選んだ理由を書いてみました。

ボディーガードになるきっかけ

 

私がSP　ボディーガードに
なったきっかけは

極真カラテの道場運営をしているうちに
いろいろな相談を受けるようになってきた時に

１９９７年（平成９年）に
神戸児童殺傷事件
いわゆる酒鬼薔薇事件があり

２００１年６月（平成１３年）には
大阪の池田小学校で
小学生無差別殺傷事件が起こり

道場生の保護者から
学校警備の仕方などの
警備に関する相談が多くなりました。

警備の相談を受けても
私も指導員もみんな仕事があるので
学校に張り付くこともできないし・・・

「どうすれば空手道場が役にたてるのか？」

自問自答の末に

自分が警備の知識とテクニックを身につけ
その知識を学校関係者や保護者に
空手と同じように指導する

「仕事をしながらでは
　この方法しか仕方ない」

そして

「役に立つ頼りになる警備とは？」

頼りになる警備とは人を護れる警備。

それにはSP（警護員）の
知識とテクニックを自分が身につけ

SPが人を護る知識とテクニックを
自分の周りの人たちに教えることだと思い

「素直にプロに指導して貰おう」

こう思ったのがきっかけです。

 

 

ボディーガード養成学校の選ぶ基準

 

 

いろいろと
ボディーガード養成学校を検索しましたが

「本物に挑戦する人を待っています」

この言葉に惹かれて
木本亮先生の
ボディーガード養成学校に決めました。

 

たくさんの養成学校があったのですが

「●●特殊部隊の・・・」

「●●での射撃訓練・・・」

「軍隊・・・、傭兵・・・」

こういう感じが結構多かったのですね。

私も元自衛官なので
いろいろな銃を撃った経験もあるし

実際に自衛隊時代は
射撃優等賞を何回も取ったので
自信はありましたが

「●●特殊部隊」「●●射撃」

日本でのボディーガードに必要なのか？

実際に民間のボディーガードは
銃を持てないのに・・・

全く「ピン」と来なかったです（笑）

日本の身辺警護の歴史で
要人警護をしてきた
経験が一番多いのは

当たり前ですが警視庁のSPです。

だから
やはり警視庁のSPと同じ
警護体系の訓練をすることが
日本の社会においては
一番理にかなっていると思いました。

 

 

用心棒では人は護れない

 

 

「なぜ極真空手の支部長が
ボディーガード養成学校に通うの？」

こう聞かれたこともよくあったのですが
自分の自衛隊時代のトラウマが
素直に養成学校に通う気持ちにさせました。

自分の電子書籍
「極真カラテの師範が教える
だれでもできる簡単ストーカー撃退法」

ここにも書きましたが
自分が予想していなときに

「アッ」と思うようなことが起こったら？

恥ずかしい話ですが

「体が硬直して動けなくなるかも？」

と、正直に思っていました。

相手と向かい合って

「構えて、始め！」

これなら戦える自信はありますが

「いつ」
「どこで」
「だれが」
「どのように」

何も判らない状況で襲われて守れるのか？

答えは「無理！」

だから

「プロに指導してもらう」

これが結論でした。

木本先生に訓練をお願いするとき

「自分は背が低いので
SPには向いていないのですが・・・」

と言うと

「SPに身長は関係ないですよ」

「どうしても気になるのであれば
指揮官になれば良いじゃないですか」

と、言われて
自分の方向性に合っていて納得しました。

「警護は襲撃されること自体が失敗」

目からうろこでしたね。

「クライアントは自分を襲ってくる人を
　目の前で見たいと思いますか？」

「たとえ警護員が目の前で
　襲撃者を取り押さえたとしても
　クライアントは警護員のことを
　格好良いと思う？」

恋人が自分を助けてくれれば
格好良いと
惚れ直すかもわかりませんが（笑）

今まで考えたことのない内容だったので
本当に新鮮でした。

身辺警護は襲撃されたこと自体が失敗で
襲撃者を撃退するのが目的ではなく

襲撃されないように
あらゆる工夫をすることが目的です。

また警護員（ＳＰ、ＢＧ）は
襲撃者を撃退するのではなく
クライアントを逃がすことが最終手段です。

だから格闘能力は
あるにこしたことはない程度の考え方でした。

自称格闘家がしているボディーガードは
クライアントに金魚の糞のようにくっついて

「来たヤツを倒せばいいんだろ！」

実際この程度でしょう（笑）

現実に自分の知っていた
自称ボディーガードは
クライアントが刺されたと聞いたのですが

今、何処にいるか判りません・・・

ボディーガードについて
詳しくはこちらをどうぞ。
ボディーガードになるには強い意志と心構え　そして基本が大事！

 

 

まとめ

 

 

今思うと思い切って
ボディーガードの訓練を受けたことは

自分の人生において
極真空手に入門したときと
同じくらいの転機となりました。

カラテの世界でも
ちょっとカラテが出来るようになると

総合格闘技がどうのこうの・・・
グローブ空手がどうのこうの・・・

ルールーが変われば戦い方が全く変わる。

戦い方が変われば
トレーニングの仕方も変わるのに
出来ると錯覚している。

所詮は見よう見まねの
中途半端でしょ？

今まで生徒から
総合もグローブも道場でして欲しいと
こう言われたことがありますが

「自分はちょっとだけ
　ボクシングの経験はあるけど
　興味本位で教えて貰っただけで
　本格的にしたこともない。
　見よう見まねで
　教えることは出来るんだろうけど
　所詮は二流で終わってしまうから
　極真ルールに専念する」

これが私の考えです。

ＳＰ　ボディーガードも
ちょっと格闘技ができるからといって
なれるものではありません！

ボディーガードになる方法について
詳しくはこちらをどうぞ。
ボディーガードになるには資格が必要？ボディーガードになる方法とは？

やはり餅は餅屋なんです！