9月は
子供の不登校と自殺が
出やすい月と言われていますが
休み明けに
「休みたいなぁ」と感じることは
誰にでも経験があるでしょう。
それにプラスして
「学校の勉強がついていけない」
「同級生に友だちがいない」
などの理由が重なると
不安も大きくなって
学校へ行くことが億劫になります。
最近の調査では自殺のピークは
8月下旬にあることが判りました。
夏休み明けに限らず
休みの後半から休み明けと
幅広い注意が必要です。
調査の発表を紹介します。
目次
不登校のきっかけが統計で夏休みあけが多いのはなぜ?
不登校になるのが多いのは5月と9月
もちろん時期に関係なく突然
学校へ行けなくなってしまうケースや
遅刻や早退を繰り返すうちに
学校へ行けなくなってしまうケースなど
いろいろなケースがあります。
4月には進学やクラス替えがあり
1ヶ月気を張って頑張って
ゴールデンウィークでホッとして
学校に行けなくなってしまうケース。
同じように夏休み明けに
行けなくなってしまうケースです。
特に夏休みは期間が長いので
1学期でストレスを抱えていた子供も
元気に過ごせていることが多いのですが
夏休みが終わりに近づくと
だんだんと元気がなくなったり
お腹が痛くなったり頭が痛くなるような
体の不調を訴える子どもがいます。
このような
判りやすい症状の子どもは
対応のしようもあるのですが
問題は普段と全く変わらないのに
突然学校へ行けなくなる子どもです。
昨日まで普通にしていたのにどうして?
夏休み中も元気だったのにどうして急に?
と、思われるかもしれませんが
1学期中にガマンしていたストレスが
「爆発してしまう」
これが夏休み明けだったのかもしれません。
休み明けに不登校が増える理由
「朝起きる→学校へ行く→授業
↓
就寝 ← 夕食 ← 下校」
普段はこの流れが
日常生活として習慣化していますが
休みの日になると学校がなくなって
習慣が崩れ学校に行くことが負担になります。
人間は習慣化するのに約3週間が必要で
1週間で習慣が抜けてしまう。
早い子なら3日で抜けると言われています。
学校が習慣から抜けた上に
・宿題提出がある
・体育祭・文化祭などの行事
・始まってすぐにテストがある
・授業についていけてない
これらの不安が1学期にあると
学校へ行くのがストレスとなります。
なので夏休み明けやGW明けは
特に習慣が抜けやすい時期なので
要注意です。
内閣府の「自殺対策白書」で
「18歳以下の子どもたちの
過去42年間の日別自殺統計」では
一年で一番自殺の多い日は
「9月1日(131人)」で
新学期はじめの4月11日(99人)
4月8日(95人)、9月2日(94人)
8月31日(92人)となっています。
しかし
自殺総合対策推進センター(東京)は
直近10年間の自殺者のピークは
8月下旬にあると調査結果を発表しまた。
同センターは1972年度~2015年度の
小中高校生の自殺のデータを分析。
06~15年度の自殺者が最も集中した時期は
8月下旬で9月上旬にピークがあった
1986~05年度から変化がありました。
内閣府が自殺対策白書を発表した15年。
72~13年の18歳以下の自殺者数について
多くの地域で9月1日前後が最多だったとし
全国各地でNPO法人などが9月1日の前後に
無料電話相談を開設するなど
夏休み明けに合わせた
子ども支援の取り組みが広がっているましたが
休み明けに特化せず
夏休み中からの対策強化を呼び掛けています。
とはいえ
休み明けは依然として
不登校や自殺が多くなるのは変わりません。
夏休み明けの時期や
春・冬休み明けの時期を
「連休明けブルー」
こう呼んで要注意時期としています。
不登校の原因について
こちらも参考にどうぞ。
不登校の原因でランキング上位はイジメや親だけど結局はわからない?
不登校のきっかけの統計から見る子供の特徴は?
不登校になる理由
学校生活のトラブル
(いじめや先生との相性なども含む)
無気力
非行や遊び
学業不振
甘えたがり・精神が未熟
家庭環境
発達障害
神経症
以上が一般的には
不登校になる理由とよく言われますが
現実には
10人いれば10通り存在します。
平成24年度の
「児童生徒の問題行動等
生徒指導上の諸問題に関する調査」
この調査結果です。
☆学校生活によるトラブル
(いじめ、集団生活が苦手
教師と合わないなど)
いじめが原因の不登校は
0.5~2%程度とされていますが
学校側でいじめと認定されないだけで
実際は2%より多いでしょう。
☆不登校の原因で
最も多いのが無気力です。
小中学生では25.9%
高校生では30.1%の生徒が
不登校の理由に無気力をあげています。
・受験で燃え尽きてしまった
・学校での生活が理想と違った
期待に応えようと頑張りすぎて
疲れてしまった
子どもによって理由はさまざまです。
☆非行や遊びといった理由も
不登校の原因の9~13%います。
・家庭内の不和から居場所を無くし
悪い友人と一緒にいるようになった
・勉強やスポーツなど自分自身ではなく
成果しか褒められないのが嫌になった
・友人関係、勉強、将来についてなど
親の干渉が厳しすぎたため
・親が自分に無関心であると感じ
意識を向けさせたい
このような行動は
「良い子」でいることへの「反発」です。
☆学業不振も
不登校の原因8~9%います。
成績が伸びないや
勉強が難しくてついていけな理由から
学校に行かなくなります。
☆小学生の児童に多いのが
親と離れることによる不安や
自立心が育っていないという理由です。
内面が未熟であるため
運動や試験などの苦手なことがあると
学校を休みたがります。
☆家庭環境
(金銭的問題、介護、家庭内不和など)
両親の離婚やリストラによる
生活の困窮といった家庭環境の
変化をきっかけに不登校となる子どもも
3~5%程度存在します。
☆発達障害
・教科によって極端に学習の遅れがある
・同じ年齢の子ども達と遊ばない
・文章の理解に時間がかかる
知的能力には問題がなくても、
「聞く」「話す」「読む」「書く」が
出来ない場合(LD:学習障害)や
静かにできない注意欠陥多動症(ADHD)も
発達障害の一部です。
☆神経症
・強いこだわりがある
・理由もなく不安になる
・気分的な落ち込み
・対人恐怖症
ストレスによって精神的負担や
行動ができなくなるなどの症状を
神経症といいます。
神経症と思われる不安などの
情緒的混乱を不登校の原因は
16~26%程度占めています。
不登校になる子で
「学校へ行きたくない」と
はっきり言える子はほとんどいません。
学校を休むことは
悪いことだと思っているからです。
なので他のサインとして
「おなかが痛い」
「気持ちが悪い」
こういう不調を訴えます。
他には
朝起きれないのが特徴です。
不登校解決方法は?
文科省が
「不登校は誰にでも起こりうる」
こう記載したのは1992年。
それまでは
「子どもに問題がある」
「親の育て方に問題がある」
こう文科省は明記していました。
昔は
・ひとりっ子の家庭
・両親が共働きの家庭
・両親が不仲の家庭
これらの家庭が
不登校になりやすいと
言われていました。
でも現実には
兄弟がいる子
共働きでない家庭
夫婦仲がいい家庭
本当にさまざまです。
とにかく不登校は
どんな家庭でも
どんな子どもにも
起こりえるということです。
だから今は関係なくても
親として知識だけでも
持っていたほうがいいでしょう。
新学期前日や直前、初日などは
子どもの顔色や体調の変化などに
注意してください。
学校に行きたくない言動があれば
無理に初日から学校に通わせず
まずは子どもの様子を見守りましょう。
学校へ行きたくない理由と対処方法
「勉強」の場合は
小学生であれば
親が勉強を見てあげるとか
中学生であれば
先生や家庭教師などを利用するなど
学力が上がれば改善できると思います。
友人関係が理由の場合は
友人関係が修復できれば
学校へ行けるようになるかもしれません。
いじめなどが理由の場合は
問題が解決したと思えるまで
学校へ行かなくて良いと思います。
子どもが安心して学校へ通えるように
学校としっかりと話し合いましょう。
「無気力」が理由の場合が
最も解決策が難しくなります。
何もやる気が無いのですから・・・
しかし、放っておくと
・どこにも出かけない
・昼夜が逆転する生活をする
心身ともに不健康になるかもしれません。
学校には行けなくても
・勉強はさせるようにする
・買い物に付き合わせる
・家から出て外の空気を吸わせる
・軽い運動をさせる
とにかく生活のリズムだけは
崩さないようにすることと
必ず太陽の光を浴びせることです。
これらの
生活リズムを狂わせないため
睡眠や栄養面でのサプリを活用するのも
有効かもしれません。
不登校の経験者に
不登校になったきっかけを聞いても
「自分でもわからない」
こういう子もいます。
先生や学校カウンセラー
フリースクールなど
第三者に相談することもお勧めします。
不登校によって子どもが
「自分はダメ人間」
と、自己否定をしてしまうと
最悪の場合
自殺や家庭内暴力
リストカットをする
こういうケースもあります。
まとめ
不登校の解決策を考えていくと
その子の将来の選択や生き方を
考えることに繋がります。
学校へ行かない=社会から外れる
以前はこの考え方が
一般常識としてありましたが
不登校になったとしても
学歴や経歴に縛られずに
生きていけます。
最近ははフリースクールもありますし
職業でも今までになかった
クリエイティブな職業が
次々と出てきています。
子供が不登校になったとしても
未来がなくなった訳ではありません。
アメリカの大学の研究者のなかには
「20111年度に小学校に入学した
子どもの65%は大学卒業時に
今は存在していない職業に就くだろう」
こう言ってる人もいます。
しっかりと子どもと向き合いましょう!
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