警護車列

SPの独り言

日本とアメリカの警護車列を比較!民間の警護で車列はハイヤーを使う?

 

日本の総理大臣や
アメリカ大統領など

SPやシークレット・サービスの

警護車列の動画は
結構人気があるようですが

その警護車列に違いがあるのか?

民間の警護で車列はあるのか?

長い車列の中で
どの車が何の役目なのか
ちょっと気になりますよね。

警護の車列について
その内容をご紹介します。

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日本の総理大臣を警護する車列は何台?

 

現在の総理大臣の専用車は

トヨタ自動車製の
「センチュリー」と「レクサスLS600hL」

この2種類の車があります。

一般車と同じく
ナンバープレートもあり
30-00などのキリ番が多く

内閣の所有となっていて
運転手は総理大臣官邸職員(内閣技官)です。

総理大臣の移動は
公私を問わず総理専用車を使用し
警視庁SPが警護を行います。

総理専用車は
防弾ガラスや特殊鋼の装甲もされています。

他の大臣の公用車には
これらの改造はされていないので
やはり総理大臣の専用車は特別扱いです。

総理大臣の専用車は
総理大臣が乗車しているときは
フロントグリルとリアバンパーの
青灯を点灯させて走行します。

総理専用車は回送以外は
単独で移動することはなく

常にコンボイと呼ばれる
関係車両で車列を組んで走行します。

SPについて
詳しくはこちらをどうぞ。
SPとボディーガードの違い そして女性も行う訓練内容とは?

 

総理大臣の車列の最小単位は3台

 

総理大臣の車列は最小で3台で
総理専用車の助手席にSPの同行が同乗し
前後に1台づつSPが複数名乗車した
覆面パトカーの警護車がガードします。

この時の3台は
総理専用車と2台の警護車は
可能な限りメーカーを統一します。

現在の警護車は
総理専用車がトヨタ製なので

「セルシオ」「クラウンマジェスタ」
「センチュリー」「レクサスLS」

これら大型セダンがあり
車体も黒で統一されています。

これ以外では
状況次第で覆面パトカーの警護車や
白バイ、白黒のパトカーが増えたり

共同通信社と時事通信社の
総理担当記者(番記者)が乗る「番車」や
随行する官僚の公用車が加わりますが

アメリカ大統領のような
長い車列になることはありません。

 

総理専用車も赤信号で停車します

 

総理大臣の移動は
ルートを頻繁に変更するため

基本的には
信号機を青にするなどの特別措置はせず

赤信号で停車するなど
道路交通法を遵守して走行します。

但し、危険と判断した場合は
警護車のSPが周囲の一般車を
適宜規制する状況もありますし

先導の警護車(覆面パトカー)が
赤灯を点灯させて緊急走行して
総理専用車を先導して危険回避も
状況次第ではあり得ます。

通常は先導の警護車は
不審車両や不審者を警戒し

後続の警護車は
後方からの不審車両を警戒しますが

交差点では加速して
総理専用車の外側に回り込み
横からの攻撃に備えます。

過去には
信号待ち中の総理専用車を
左後方から追い抜こうとした
不穏なミニバイクの行く手を

SPが警護車のドアを開けて
阻止するという強行措置もありました。

ちなみに
皇族が一般道を移動する際は
信号をすべて青にするなどして
停止中に狙われることがないよう
特別措置がとられています。

 

 

アメリカ大統領の車列は警護でも別格?

 

アメリカ大統領の警護車列には
電波妨害車や特殊部隊もいます。

大統領が乗るリムジンは
ビースト(野獣)と呼ばれ

防弾仕様は当然で
ミサイルが直撃しても耐えられる構造です。

そのため、ドアは20センチを超えるといわれ
どんな攻撃をうけても大丈夫とされています。

銃弾を受けてパンクした場合でも
ホイル走行できる構造で

化学兵器が使用された場合にも
外気を取り込まないと言われています。

前後を警護するのは
アメリカのシークレットサービス(SS)で

国土安全保障省傘下の警察機関で
大統領の警護・警備が主な任務で

多くがシボレー・サバーバンを使用しています。
有事の際に車両を動く壁として利用するためです。

車列にはM4カービンと呼ばれる
自動小銃を構えたSSが乗車する車両や

電子戦に備えた広帯域のジャミングをかける車両

軍事衛星を利用して各種通信を確保する車両など

各種最新鋭の装備を搭載した特殊車両が連なります。

車列は30台超となり
車列の長さも100メートルを超えます。

さながら軍隊の車列ですね。

 

来日した大統領の移動時の車列構成

 

パトカー、白バイ×8、パトカー、警護車(警視庁)
大統領専用車(ダミー)、大統領専用車
警護車(警視庁)×2、
シークレットサービス(突発事案対応要員車)
シークレットサービス(電子戦対応車)
シークレットサービス(通信車)、
アメリカ大使館車両
シボレー警護車(警視庁)
アメリカ・ホワイトハウス関係要員車
アメリカ大使専用車両
シークレットサービス
シークレットサービス(救急車兼多目的車)
スタッフ遂行車×2、
ホワイトハウスコミュニケーションズ
エージェンシーロードランナー(衛星通信車)
スタッフ遂行車×3
シークレットサービス×3
スタッフ遂行車
外務省スタッフ車×2
警護車(警視庁)、パトカー×1
米国報道陣×3
ゲリラ対策車×1

具体的な内容は

先導は日本の白バイ8台と白黒パトカー
白バイには交通機動隊員が乗車し
パトカーには機動隊員とSPが乗車

次に日本の警護車(防弾仕様)
SPが乗車し警護車はフーガ。

次にダミーの大統領専用車
そして大統領が乗車する大統領専用車(ビースト)

ビーストは公式行事用車両で常に2台セット。
2台目に大統領が乗ることが通例です。
ベース車はキャデラックのリムジンです。

大統領専用機がエアフォースワンなので
大統領専用車をキャデラックワンと
コールするこもあるようです。

ビーストの後ろに日本の警護車(防弾仕様)
SPが乗車し警護車はレクサス。

そしてアメリカの
シークレットサービス(突発事案対応車)

サバーバンの車両で
アメリ国内や国内情勢が不安定な海外では
リアハッチを開けたまま走行します。
突発事案に対応するため
車内にはCATと呼ばれる
対攻撃チームが乗車しています。

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その後にアメリカ電子戦対応車

ルーフのアンテナが、広帯域で電波妨害を行い
ミサイル攻撃を無力化できます。

空中目標を特定するための赤外線カメラや
狙撃兵を検出するシステムも搭載しています。

そのためこの車両が通過する際には
携帯電話の電波が一時的に遮断され
ワイヤレスマイクなどの電波も使えなくなります。

次にアメリカ・シークレットサービス
防弾車で通信系車両

そして在日アメリカ大使館車両(防弾車)

その後に日本の警護車(防弾仕様)・警視庁
特殊部隊が乗車しシボレー・エクスプレス。

次に日本のハイエース
おそらくホワイトハウスの職員が乗車し
SSの一部も乗っているかもしれません。

そしてアメリカ大使専用車(防弾車)

次にシークレットサービス(防弾車)

シークレットサービス(救急車兼多目的車)
外国の救急車を彷彿させる形状ですが
後部には防弾ヘルメットに自動小銃(M4カービン)
真っ黒な戦闘服姿の4~6名の
武装シークレットサービスが乗車しています。

突発事案発生の際には
武力制圧を行うための車両になります。

車内の後部は救急車としての機能もあり
大統領の輸血用血液を搭載しています。

次のアメリカの車は用途不明ですが
屋根にSSのアンテナが装備されています。

そして日本のハイエースも用途不明です。

次はアメリカのロードランナー(衛星通信車)
大統領車列に必ず組み込まれる車両で
ホワイトハウスコミュニケーションズ
エージェンシーに所属しています。

アメリカ軍の軍事衛星に
データを送信しながら走行できて
映像・電話等の各種通信システムの車両です。

映像・画像を
リアルタイムに暗号化して
軍事衛星を介してホワイトハウスに送ります。

次はアメリカ・ホワイトハウススタッフ車

そしてシークレットサービス(防弾車)

次の人員輸送用は
日米どちらかの政府要員を輸送するバン。

そして日本の外務省の車

次は日本の警護車(防弾仕様)
大統領夫人に随行するSPが乗車。

そして日本の白黒パトカー
機動隊員とSPが乗車。

その後にホワイトハウスの報道陣用の車

最後に日本のゲリラ対策車
機動隊員が乗車。

以上となります。

 

アメリカ大統領の警護体制

 

アメリカ大統領の行き先には
2週間前には10人規模の
先乗り要員が派遣されて
警護の綿密な調査をします。

人員は

シークレットサービス 250人
ナショナル
セキュリティアドバイザー 150人
合衆国の他部門  200人
ホワイトハウス専属スタッフ 50人
捜索犬チーム  15人
専属コック1人にコックの助手が4人

機材として

ボーイング747-200型機 2機
チャーター便1機
シコルスキー・シーキング(ヘリコプター)1機
ブラックホーク(ヘリコプター)1機
リムジン、パレードを守る装甲済みの自動車20台

大統領の訪問先へは
専用リムジンや専用ヘリまでが空輸されます。

そして大統領の移動ルート上にある
狙撃ポイントとなりうる場所には
常にシークレットサービスの狙撃手が
待機して周囲の警戒にあたっています。

 

これだけの警護体制が公開されています。

 

アメリカ大統領専用車の性能

 

『ザ・ビースト』の愛称で呼ばれる車両。

*燃料タンク:爆発を防ぐ特殊な発泡体で覆われている。
*トランク:酸素供給システムおよび消火システムを装備。
*車の後部:大統領を含む最大4人分の座席があり
昇降できるガラス板で仕切られている。
非常ボタンもある。
*後部席:大統領の座席には最新鋭の衛星電話があり
副大統領やペンタゴンに直通で通じる。
*ドア:厚さ20cmの装甲板仕様で
ボーイング757の客室扉ほどの重さがある。
*防衛装備:暗視カメラと連射式ショットガン
さらに催涙ガス砲も装備している。
大統領に緊急輸血が必要になった時のために
自己血液の入ったボトルも用意している。
*シャシー:車体下部は爆弾や手榴弾の爆発にも耐え得るよう
強化鋼鉄板を張っている。
*運転手:どんな走行条件―非常脱出、非常回避や
180度Jターンなど―でも対処できるように
シークレットサービスで訓練を積んでいる。
*運転手用窓:破裂弾や44マグナム弾にも耐えられる。
*運転手席:ハンドルは一般的なものだが
ダッシュ・ボードには通信センターや
GPS追跡システムがある。
*車体:厚さ13cm以上の装甲板で出来ている。
二枚重ねの鋼鉄、アルミニウム、チタン、
セラミックを組み合わせたもので
強力な発射体も粉砕できる。
*タイヤ:スティール縁に防弾、防パンク補強した
ランフラットタイヤ。
仮にタイヤが爆破されたとしても
その場から脱出できる。

以上が一般的に公開されていますが
他にもあるかも判りませんね。

 

 

民間の警護で車列はハイヤーを使う?

 

民間の警護でも車は使いますが

「警護車列は?」

と、いうと
現実には車列を組むような警護は
おそらく無いと思います。

あくまで予算上の問題です。

もし、予算があったとしても

対象者の車の後に
警護員が1~2名乗車した
警護車が1台くらいでしょう。

それでも民間では
かなりの予算となります。

警護員1人の日当が
5万~10万として
3~4人分。

対象者の乗車する車と
警護車の2台分の車代。
ハイヤーを使うとすれば
そのハイヤー料金。

単純計算でもこれだけ必要です。

民間の警護では車は
ハイヤーを使う場合が多いですね。

警護員が運転すると
地理に不慣れな場合があり
それだけで警護能力が下がります。

企業の役員などの警護では
運転手付きの役員専用の車があれば

警護しやすい状況ですが
民間でこういう状況は少ないので

ハイヤーを使うことが多いです。

 

車の停車位置や
ドアの開け閉めのタイミングなど

ハイヤーのほうが
打ち合わせし易いですし

地理で困ることもないですから。

 

 

まとめ

 

 

日本とアメリカの警護車列を比較すると
銃社会との違いがハッキリとしています。

アメリカの場合は
警護というよりは
軍隊の一つの部隊のようですね。

民間の警護では
ハイヤーを使うことが多いですが

それでも予算を考えると
そう簡単には車も人員も増やせません。

民間の警護予算から考えて
日本の総理大臣の警護予算と
アメリカ大統領の警護予算は

比較にならないものがあります。

高いか安いかは人によって
考えは違うと思いますが。

ボディーガードの費用について
詳しくはこちらをどうぞ。
ボディーガードを雇う時の費用は?ボディーガードの探し方!

 

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