ボディーガード

安全マップの作り方は?危ない通勤 通学路や公園とは?

 

安全マップは子供自身に
犯罪に巻き込まれない能力を
身につけることが目的です。

子供が自分で通学路等を点検し
人目が少ない場所等を
地図に表す作業を通じて

子供に

「犯罪が起こりやすい場所」

を、判断する力を身に付けさせ
危険な場所には近づかないよう
意識させることです。

子どもだけでなく
女性にも活用できますから

一度通勤、通学路の点検をお勧めします。

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安全マップの作り方とは?

 

 

立正大学の小宮信夫教授が推奨する
安全マップの作り方をご紹介します。

まずは教室で
犯罪が起こりやすい危険な場所の
判断基準を教えることが最初です。

「入りやすい」(近づきやすい)場所と
「見えにくい」(人目が少ない)場所が
 危険な場所であることを教えます。

逆に
「入りにくい」場所と
「見えやすい」場所は
安全な場所であることも教えます。

一般的にはガードレールがあると
近づきにくい場所

落書きがある所は人目が少ない場所など
例題を挙げると理解しやすいでしょう。

子供自身が例題と照らし合わせて考え
危険な場所を発見することが必要です。

次に班を編成して役割分担を決めます。
(引用:地域安全マップ作製指導マニュアル)

☆班 長
班員の行動をまとめる役割を担当する。

☆副班長
班長を補佐して班員の作業を
取りまとめる役割を担当する。

☆地図係(1~2名)
危険な場所や安全な場所
写真撮影した場所
インタビューした場所を
地図に記載する作業を担当する。

☆写真係(1名)
危険な場所や安全な場所を
撮影する作業を担当する。

☆インタビュー係(1~2名)
地域の人に対して
危ないかもしれない場所と理由を尋ね
その回答内容を記録する作業を担当する。

フィールドワークでの例

 

◎ガードレールがある
◎自動販売機が何台も設置され
後方が死角になっている
◎公園が道路より高い所にあり
通行人から見えない
◎公衆トイレの電気が切れている
◎高い生け垣やブロック塀が続いている
◎人通りが少ない
◎車の往来が多い
◎街灯が少ない
◎廃屋がある
◎暗い地下駐車場がある
◎公園にどこからでも入れる

◎ゴミが山積している
◎通学時に近所の人が
通学路を見守ってくれている
◎「子供110番の家」が多数存在している
◎住民による挨拶が活発である
◎商店の配送車に「防犯パトロール中」の
プレートが貼付されている
◎住民が協力して、夜間、門柱灯、玄関灯を
点灯するようにしている
◎壁にスプレーで落書きがなされている
◎路上駐車が多い
◎放置自転車が多い

フィールドワークの後に
大判の白色模造紙等に
フィールドワークをした街の概略
(道路、学校、公園、商店街等)を記載する。

フィールドワークで発見した危険な場所
安全な場所等の写真を地図上に貼付する。

(特定の個人名等が分かる表札や
車両のナンバープレート等は
黒塗りするなどして見えないようにする)

選定した場所が危険又は安全である理由など
コメントを吹き出し等を使って書き込む。

地域の人とふれ合いながら
子ども自体が危険で犯罪が
起こりやすい場所を理解するのに
役立てましょう。

 

 

入りやすく見えにくい場所とは?

 

 

小宮先生が提唱する
犯罪機会論の解説をご紹介します。

「景色はウソをつかない」

犯罪者は人を騙そうとするから
人を見ていては
子どもはだまされてしまいます。

人はウソをつくが景色はウソをつかない。

その場その場の景色の中で

「安全」と「危険」

判断する能力を養います。

景色を見て危険を予測し
だまされずに済むようにする。

防犯のために注視すべきは
人ではなくその場の景色です。

景色の中で
安全と危険を識別する能力のことを

「景色解読力」

と呼んでいます。

松戸ベトナム女児殺害事件
(リンちゃん殺害事件)のように

たとえ日ごろはやさしく親切な

「知っている人」でも

「危険な景色」の中にいるときは
信用してはいけない。

逆に「知らない人」でも

「安全な景色」の中にいるときは

言葉を交わしたり
助けの手を差し伸べたりしてもいい。

道徳教育で言われているように

「人は見かけで判断するな」

これが基本です。

「人はその場の景色で判断しろ」

こういうことです。

この景色に注視するのが

「犯罪機会論」です。

犯罪機会論は
犯罪者の動機や性格には興味を持たず

犯罪者がどんな人だろうが
犯行パターンには共通点があり
その共通点を抽出することに興味を示す。

その共通点を一言で表すと
犯罪者は景色を見て

「入りやすく見えにくい場所」

と、判断すれば犯行を始めるが

「入りにくく見えやすい場所」

と、判断すれば犯行をあきらめる。

「入りやすい場所」とは

だれもが簡単にターゲットに近づけて
そこから簡単に出られる場所である。

そこなら怪しまれずに近づくことができ
すぐに逃げることもできる。

「見えにくい場所」とは

だれの目から見ても
そこでの様子をつかむことが
難しい場所である。

そこでは余裕を持って
犯行を準備することができ
犯行そのものも目撃されにくい。

犯罪者は景色を見ながら
犯行を始めるかどうかを
決めているからです。

つまり安全と危険は
景色の中で判断すべきものなのです。

 

危険な場所と安全な場所の理由とは?

 

例えば
ガードレールが設置されていない道路は
車に乗った誘拐犯が歩道に

「入りやすい場所」です。

両側に高い塀が続く道路は
家の中から子どもの姿が

「見えにくい場所」です。

フェンスで囲まれていない公園は誘拐犯も

「入りやすい場所」です。

うっそうと茂る草木に囲まれた公園は
誘拐の一部始終が

「見えにくい場所」です

田畑に囲まれた道路や建物の屋上は
死角になる部分がないので
一見安全そうに思えるが
周囲からの視線が届かないので

「見えにくい場所」です。

こうした物理的に危険な場所だけでなく
心理的に危険な場所も点検する。

例えば
落書きやゴミといった
街の無秩序のサインが見つかった場所は
誘拐犯に警戒心を抱かせにくいので

「入りやすい場所」です。

またそうした場所は
地域住民から関心が寄せられていないので

「見えにくい場所」でもある。

駅前広場やショッピングモールは
人が大勢いるので一見安全そうに思えるが

人は刺激が多ければ多いほど
異常な事態に気づきにくくなり

たとえそれに気づいたとしても
その場に居合わせた人が多ければ多いほど
責任を感じにくくなるので(傍観者効果)

やはり心理的に

「見えにくい場所」です。

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ボディーガードが襲撃を予測するのも
その場所の景色をみて判断します。

待ち伏せされやすい場所
その人が必ず来ると思われる場所

つまり、自宅や会社そして
行動がパターン化していて
行くだろうと思われる場所です。

そして、その場所の出入り口を
見張れる場所が襲撃者の
待ち伏せポイントになります。

道路であれば
曲がり角や建物の死角となって
見通しが悪いポイントは要注意です。

それともう一つ
襲撃者が襲撃してから逃げやすい場所が
襲撃されやすい場所となります。

やはりその場の景色がポイントになります。

危ない場所について
詳しくはこちらをどうぞ。
小宮信夫先生の安全マップとは?ボディーガードも同じ目線です!

 

 

地域安全マップづくりは非行防止や地域防犯に役立つ

 

 

小宮先生の持論です。

子どもたちはグループワークを通して
コミュニケーション能力を
伸ばすことができる。

マップに装飾を施す作業の目的は
能力的あるいは性格的に
コメントを適切に書けない子どもにも
役割を与えマップの完成に貢献したという
証拠を残すことである。

そうすることで特定の子どもが
排除されることを防ぎ子ども同士の
仲間意識を高めようというわけだ。

また地域安全マップづくりには
シティズンシップ(市民性)教育という
要素も盛り込まれている。

子どもたちは街歩きを通じて
地域社会への関心を高める。

住民へのインタビューも
情報収集というのは建前で
本音は子どもと住民との
信頼関係の構築にある。

要するに地域安全マップづくりには
子ども同士の絆の強化
さらには近隣住民との絆づくりが
期待できるのだ。

こうした社会的な絆は
子どもを非行から
遠ざけることが分かっている。

さらに地域安全マップづくりによって
犯罪機会論の考え方が
親や住民の間に広まれば

地域を基盤とした
防犯活動が理論的な指針を得て
無理なく無駄なく展開されるようになる。

その意味で地域安全マップは
コミュニティ・エンパワーメントの
手法でもある。

 

心のケアを理由に安全教育を否定するのは本末転倒

 

こうした効果が認められる一方

「地域安全マップは被害者を傷つける」

という批判もある。

「危険な場所になぜ行った」

と、責められるというのだ。

これはおかしな理屈である。
むしろ論理のすり替えと言ってもいい。

注意を怠った者を責めることになるから
注意そのものをしないとは
何とも無責任な話だ。

被害者が責められる
可能性があるからといって

ライターを使った火遊びや
工事現場でのかくれんぼを許したり
台風接近時の登山や海水浴を
認めたりはしないだろう。

危険なことは危険だと
しっかり教える安全教育と
被害に遭ったときの
心のケアは別次元の問題だ。

心のケアを理由に
安全教育を否定するのは本末転倒である。

何せ子どもの命がかかっている。

例えば

「いかのおすし」

子どもならだれでも知っている防犯標語だが
その正体は大人が面白がる
言葉遊びにすぎない。

知らない人にはついていかない。
知らない人の車にのらない。
危ないと思ったらおおきな声を出す。
その場からすぐ逃げる。
大人の人にしらせる。

これを正しく言える
子どもはほとんどいない。

やはり子どもの視点に立った
真に役立つ教育が必要である。

大人の

「やっている感」

で、終わらせてはならない。

どんなに難しくても
発達段階に応じて算数や英語を教えるように

景色解読力も少しずつ、でも確実に、
そのレベルを高めていく
努力をすべきではないのか。

全くその通りだと共感します。

 

 

まとめ

 

 

小宮先生はまとめとして

アメリカ生まれの

「学びのピラミッド」

この学習理論によると
学習内容の記憶への定着率は
読んだだけでは10%にすぎないが
実際に自分でやってみると75%になり
他人に教えれば90%にまで高まるという。

地域安全マップづくりの核になるのは
自分自身で
景色をチェックしながら歩くという

「体験」が重要である。

地域安全マップは
一人ひとりの景色解読力を高めるための
「体験」という名のプロセスなのだ。

学校現場の言葉を使うなら
地域安全マップづくりは

「アクティブ・ラーニング」

の、手法なのである。

にもかかわらず
小学校などで作られている
地域安全マップのほとんどは
子ども自身の体験が欠如したマップだ。

例えば
不審者が出没した場所を表示したり
不審者への注意を呼びかけたりする

「不審者マップ」がそうだ。

人に注目しても
危険な状況を予測することは難しく
かえって人間不信を助長するだけである。

不審者について
詳しくはこちらをどうぞ。
不審者とはどんな人?対処方法を知ることは防犯の第一歩!

 

犯罪が起きた場所を表示した

「犯罪発生マップ」も同様だ。

犯罪発生マップは「鳥の目」で見た
2次元の俯瞰図(ふかんず)なので

「鳥の目」が必要な

警察や行政でなければ役に立たない。

景色解読力が高まるのは
正しい方法で
地域安全マップづくりが行われた場合だけである。

私が小宮先生の本の中で

今の防犯教育は
交通事故に遭った時に
受け身を教えているのと同じ。

交通事故に遭わないように
教育するのが当たり前。

この文章が印象的でした。

 

護身術も
犯罪者と対峙したときのやり方ばかりを
当たり前のように教えていますが

いざという時に使えないことばかり教えて
危険を予測して回避するやり方を教えない。

全く同じ状況ですね。

小宮先生の本です。
とても参考になります。

写真で安全な景色などがわかります。

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